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AoiMoeのおはなし

アイカツロス症候群のリハビリ活動二次創作

いちご、結婚するってよ ~ 解説①

よく、「言いたいことは作品の中で完結しろ」なんてことを言う人もいるけれど、何でもかんでも詰め込んだら文章としてのテンポが悪くなったりするし、「この作品をどういう考えで書いたか」という文章を、本編とは別に書いたっていいんじゃないの派なので、こうして気にせず解説を書くことにする。なお、本質的にネタバレが含まれるので注意。でも、ネタバレされてしまったからというような理由で本編を読まなくなるような人って、たぶんそういうこと関係なしに最初っから読まないと思うので気にしない。

いちご、結婚するってよ

 本編はこちら:

aoimoe.hatenablog.com

 

 これは、前口上にも書いたとおり、「星宮いちごが結婚するとソレイユはどうなるのか」というお題でお話を考えると面白いなあ、という発想で書いたもの。

書かれた時期的に見ても分かる通り、これは筆者がアイカツロスをこじらせにこじらせている時の話なので、「結婚してしまういちご」というのはアイカツという作品そのものの投影であり、「それを受け入れられないあおい」というのは筆者自身の心情を投影しているわけです(そもそも、アイカツという作品で、霧矢あおいというキャラクターは、幼女先輩にとってはどうなのか分からないが、我々アイカツおじさんアイカツおばさんにとっての感情移入キャラとして設定されているフシがある)。そして、そのあおいの負の感情を受け入れられるのは、やっぱり蘭しかいないんじゃないかと。そこで、(アイカツロスで気が狂ってしまっている)筆者に代わって事態を客観的に見られる立場として、蘭を狂言回しに設定して話は進行してゆきます。

さて、舞台設定としては、この三人はスターライト学園卒業後にルームシェアをしているということになっていて、その部屋の中で物語のほとんどが進行してゆきます。これは、おそらくアイカツ二次創作の設定としては平凡だろう、というか、もうこの三人は「お前ら結婚しちゃえよ」という感じだし、プライベート空間を作るために便利なので、何も考えずに採用しています。まあ、セキュリティ上、一軒家ではなくてマンションの一室だろうな、とか、アイドルだからダンスや歌の練習をしても周りに迷惑をかけないようにしっかりと防音が施された部屋だろうな、とか、国民的スターであるソレイユなら金持ちだろうし広い部屋を100万ドルぽんと出して買ってるに違いない、程度に思っていました。

時期の設定は、ちょっと悩んだのだけれども、アイカツ放送終了時点から6年後、つまり、いちごたちが高等部を卒業して5年後、という設定で、いちごたち23歳、あかりたち20歳ということにしました。いっそ10年後くらいにしようかな、とも思ったのだけれども、らいちのエピソードで、彼の将来をどうするべきか見えなかったので、とりあえず彼が大学生ということでお茶を濁すという発想で、こうなりました。結果として、エクストラステージまでの時間的余裕があってよかったのかなと思います。

ところで、この話の主題における問題は、あおいをどうやって狂わせていくのか、というところにあります。霧矢先輩は、アイドル博士としてのふるまいをみせるケースでは、時としてキャラ崩壊に近いくらいミーハーになって冷静さを欠く訳ですが、どうも筆者の印象として、いちごの幼馴染としての立場では、至って冷静で強固で、そこにはなかなか揺さぶりが入らないんじゃないか、という気がしています。そこで、≪新しい立場≫、つまり母校スターライト学園の嘱託教員としての立場を与えて(もっとも、この話の中では徹頭徹尾匂わせるだけにしてありますが)、そのプレッシャーを精神不安定要因としています。そういう意味でも、23歳(大学卒業の翌年)というのは割と都合がよかった感じですね。

どうにも普段の冷静なあおいとは違って、散漫で正常な判断力を欠いてる感じは、すでにセクション2のスーパーマーケットのシーンでも匂わせてありますが、そこにさらに酒を入れて出来上がりというわけです。アイカツという作品では、女児向けという都合上、絶対にお酒なんて出てこない訳ですが、まあこの手の話の装置としては非常に便利なものです。一方で、もともとあおいはべらぼうに酒が強い≪うわばみ≫設定にしてあるのも、普段の強固さを裏打ちするための設定ですね。それが、ちょっとした精神のバランスの失調をきっかけとして、コロッと行ってしまう。このあおい姐さんかわいい。

このお話を書いている時点では、まだいちごがどんな人と結婚するのか、全く思いついていなかったし、また、それはどうでもいいことだと思っていたので、具体的な描写がされていません。ただ、どうもいちごの性格として、直感でビビビッと結婚相手を決めて、速攻で結婚しちまうんじゃないか、という印象があったので、そういう風に書いてあります。そういうような理由で、あおいも蘭も、いちごの結婚相手には会ったことがなく、よく知らない感じになってます。

次に、時刻設定ですが、これは、酒盛りを始めるには少し早いかな、という時間に設定してあります。いくつか理由があって、一つは、蘭が20時以降食事をしないという設定がまだ生きているであろうこと、そして、翌朝のランニングのシーンを入れることを考えると、それなりに早い時刻で酒盛りを切り上げていないと辛かろう、という親心が働いています。まー、若い連中だからそんなことは気にしなくてもいいのかもしれないけどな。

酒盛りの二人の会話には、いろいろ小ネタを挟むことによって、6年間という時間の経過や、ルームシェアに至る経緯あたりも楽しく書けたし、あるいは段落の冒頭で自ら「アイドルはトイレ禁止」と言いつつ最後にトイレに立つ、みたいな落語的展開もちょっと楽しい。

らいちとあおい姐さんの関係性は、やっぱりどこまでいっても恋愛にはならず、あこがれる側とあこがれられる側の関係なんですよね。アイカツ第二期で、ノエルちゃんとの関係をあおい姐さんに誤解されたんじゃないか、っていうエピソードがあるのだけれども(82話)、そこで、右往左往するらいちに対して、あおい姐さんのセリフは「また(身長が)大きくなった?」ですよ。もう脈が全然ないよ諦めろよらいち。とはいえ、この関係性は見ていて身もだえするほど良い。

で、最終的には、何故あおいがそこまで追いつめられるのか、という根本的な理由に到達するわけです。そこで、例の「蘭のルームメイトだった子は夢をあきらめて去っていった」という一期冒頭のエピソードが、狂言回しとしての蘭の存在に説得力を加えてくれたし、割ときれいに収まったんじゃないかと思います。二期のあおいを見るに、結局、あおいはいちごの精神的な支えがないとダメなタイプなんじゃないかな、という感じだし、それは20代前半ではまだ克服されてないんじゃないか、という気がします。対するいちごは、「あおいの手紙」という切り札をあかりのために使っちゃう程度には、技術的にはともかく精神的にはあおいに依存してない。まあ、依存してなくても、やっぱりいちごが一番大好きな相手はあおいだと思う。そういう関係。

一方で、あんまりあおいと蘭は依存しあう関係ではなくて、気の合う仲間的な関係なのかなあ、と思う。ましてや、(少なくともこの「いちご、結婚するってよ」シリーズの中では)百合ではない。まあ、この日は初めて二人で一つのふとんで寝る、という描写になっているけれど、これは例外中の例外として、結果としてそういう風になったし、本当に手をつないで寝ただけ、という感じに仕上げたつもり。

最後のランニングのシーンは、この話の中でのエピローグとして穏やかに話を終わらせるために置いてあります。

いずれにしても、この子たち、放っておいてもいくらでもキャラが動いてくれるので、本当に楽ですわ。アイカツの登場人物のキャラの立ちっぷりは異常だと思う。

という感じで、「いちご、結婚するってよ」の解説だけで思った以上に長くなってしまったので、残りはまた後日。