AoiMoeのおはなし

アイカツロス症候群のリハビリ活動二次創作

あおいいちご ~ 解説

本編はこちら:

aoimoe.hatenablog.com

 

これは言うまでもなく、フォトカツの新イベント曲「青い苺」にちなんでいます。

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この「青い苺」を解釈するためには、

  • 曲の歌詞
  • 上記リンクのPV
  • フォトカツのイベント

という3つのソースがあるわけですが、今回の物語はイベントが始まる前に書かれているので、最初の2つだけがソースとなっています。

ところで、歌詞だけを解釈した場合には、実は、どこにもウエディング要素ないんですよね、この曲。素直に解釈すれば、長い間離れ離れだった友達に久しぶりに会って思い出が吹き出してきた、というような話になっていると思います。まー、誰かの結婚式をきっかけに、友達と再会した的な感じでウエディングソングと解釈できるわけですが、それはどう見ても昭和の発想なので、一体誰向けなんだよ、って感じではあります。

一方、そういうことを踏まえたうえで、この歌がいちごとあおいのものであるという点を加味して考えると、「再会した友達同士」というのはいちごとあおいのことになってしまうので、それならば、二人が再会したのは誰か別の友達の結婚式であるはずで、PVでウエディングドレス着ているのが二人であるというイメージと齟齬があるような気がするんですけど、その辺どうなんでしょうね。

まあ、今のところCDも出ていないので、CDが出てからフルバージョンを聴くとまた印象が変わってくる可能性はありますが。

さて、曲自体の解釈はこれくらいにして、物語の解説に移ります。

この話は「青い苺」を聴いてからすぐに、行き当たりばったりで8時間ほど掛かって書いたのですが、全体のテーマとしては、「匂いってエロいよね」みたいな話になってます。アイカツ本編でも「アイドルの匂い」っていう話が出てきてましたけど、もうその時から、これはエロチシズムだなあと思って見ておりました。おっさんですまんな。前作「いちご、結婚するってよ」では、いちごの結婚をきっかけにおかしくなってしまう霧矢先輩の話でしたが、今回はいちごの匂いでおかしくなってしまう霧矢先輩の話で、ますます筆者の中での霧矢あおい像がこじれておりますが、だいたい「青い苺」の歌詞からして何やら危うい雰囲気に満ち溢れているので、これは必ずしも筆者だけの責任でもなく、しょうがないのです。話の作り方としては、「青い苺」の歌詞からお題となるような要素をいくつか拾ってきて、それをキーとして間を埋めていく、というような方法を取っています。

まず、セクション1では、いちごとあおいのリボンタイが混ざってしまって、どっちがどっちだか分からなくなってしまいます。ちゃんと元ネタを明かしておくべきだと思うので書いておきますが、いちごとあおいの関係において匂いというのをテーマにしようと思った時点で、真っ先に思い浮かんだのは、「あまゆる。(マウンテンプクイチ作・まんがタイムきららキャラット連載)」という作品における「ルームメイトと制服が混ざってしまってどっちがどっちだか分からなくなる」というエピソードでして、その作品でも片方の子が「匂いで分かるよ」という類のことを言ってたのを含めて、そこからこのエピソードを拝借しております。しかし、実際に寮で共同生活をしてる学生さんの間ではそういうことがあるんだろうか。私、気になります。

今回のお話では、いちごがリボンタイの匂いを嗅いで、どちらがあおいのものなのかを言い当てます。何か、いちごなら本当に匂いで言い当てそうでしょ。もちろん、いちごにはその行為に何の他意もないのですが、今回のお話におけるあおいは、何かがこじれているようで、そのいちごの行為に対して妙に意識してしまいます。

セクション1の最後から2にかけて、ちょこっとだけ蘭にトリックスター的に登場してもらっていますが、こういう使い方すると便利ですよね蘭ちゃん。

さて、蘭に割り込まれて、一見、落ち着きを取り戻したように見えたあおいですが、セクション3では、一人きりの脱衣場でいちごの脱衣かごを見て、変な気持ちになってしまいます。その直前にはいちごの裸を見ていても何ら邪な気持ちを抱いていないのに、いちごの脱いだ服の方には劣情を催すというフェティシズム的倒錯がいいなあと思ったのです。匂いがテーマですからね。おっさんですまんな。

さすがにあおいさん、下着の匂いを嗅ぐのは躊躇したようで、そこで手にしたのはリボンカチューシャの方でした。まあ、星宮いちごといえばリボンカチューシャだし、いちごに対する想いをあおいに語らせるにはちょうど良い触媒だったと思います。「青い苺」のBメロ最後に、私だけは友達の未来の姿が見えていた、というような内容の歌詞があるので、ここでアイカツ40話における小五のいちごとあおいの出会いのエピソードを持ってきました。

そしてついに、あおいはいちごのリボンカチューシャの匂いを嗅いでしまいます。実際のところ、本当に匂いがしたのかも怪しくて、どっちかというとあおいの感じた幻なんじゃないのかなあ、という風に、筆者は思ってます。ここは「あまいいちごの匂い」という歌詞に対応しています。

セクション4は、脱衣場での行為に対して自己嫌悪に陥っているあおいが、悶々といろんなことを考えてしまいます。二人の距離みたいなことを考えさせているのは、「青い苺」という曲における二人の距離感みたいなものをあおいに語らせたかったのでこうなってます。

あおいが窓の外にオレンジ色の星を見つけるのは、「教えてくれた星明かり」という歌詞に対応しているのですが、この星はうしかい座α、固有名アークトゥルスを想定しています。6月頭の夜9時くらいには天頂付近の南西の空にいるはずなので、枕元から窓の外を見上げて見るのに丁度よいですね。この星を選んだ理由はまた後ほど。

セクション5は、PVの「二人のウエディングドレス」というテーマを反映させるために、あおいの夢の中で二人に結婚してもらおうとしています。まあベタだけどいいでしょ。

そして、あおいの悶々としていた気持ちを着地させるためのエピローグとしてセクション6が配置されています。ここは長かったので、いま読み返してみたらもうちょっとセクション分けても良かったかな、という気もしますが、それはそれ。

朝ごはんではイチゴジャムを登場させています。いちごというのはやっぱり春の食べ物で、6月にも手に入らないことはないけどあんまり旬じゃないし、あおいいちごというタイトル回収にも都合がいいので、ジャムという形にしてみました。

そうそう、一応言っておくと、エアーズロックというのはアボリジニの聖地なので、そこでライブするのは相当罰当たりですぜ、あおい姐さん。

さて、最後にいちごが「青い星」というのを持ち出していますが、これはおとめ座α、固有名スピカを想定しています。このスピカと、先ほどのアークトゥルスは春の空では特に明るい星で、これにしし座β、固有名デネボラを加えた正三角形は春の大三角形として知られています。

ところで、スピカとアークトゥルスは、日本では夫婦星と呼ばれることがあります。これが、この二つの星を選んだ理由ですね。アークトゥルスがいちごで、スピカがあおいです。まあ、ついでに言えばデネボラが蘭なんでしょうけども。

なお、同様の対としては、夏の大三角形におけるアルタイルとベガ、つまり彦星と織姫星があります。6月ならば既に南の空にいるのですが、アイカツでは織姫といえば学園長であることと、この二人は一年に一回しか会えないといういわくつきなので、避けました。

という感じで、まとめると次のようになります:

  • 匂いはエロい
  • あおい姐さんを変にしちゃうのは楽しい
  • お前らもう結婚しちゃえよ!