AoiMoeのおはなし

アイカツロス症候群のリハビリ活動二次創作

いちご、結婚するってよ ~ 解説③

エクストラステージ

 本編はこちら:

aoimoe.hatenablog.com

 

いちごの結婚話を書いてしまったら、やっぱりどんな子供が生まれてくるのかを妄想してしまうわけですが、さすがにこうやってオリジナルキャラを出し始めると二次創作としての規律がなくなってきてしまうため、この話は何というか、悪ふざけというか、そういうたぐいのものだと思ってください。

とはいえ、この話は、なるべく規律を崩さないようにアイカツのエッセンスを凝縮したものを書くことを狙っており、それを実現するために、次の二つの指針を定めています:

  1. いちごの旦那を除いて、次世代を構成するのはアニメに登場した人物の間に生まれた子であること
  2. アニメ一期のマンネリズムであること

そこで、いちご、あおい、蘭に相当するような三人の子を設定しました。

登場人物について

星宮みかん

いちごの子供だからみかん。下の名前はそれでいいのですが、ここで問題になってくるのは彼女の姓をどうするかということです。でも、アイカツには既にアニメ本編にも似たような問題が存在し、それが半ば投げっぱなしにされていますね。つまり、アイカツ48話における「ミヤちゃんの『ミヤ』は星宮の『ミヤ』」という下りです。現実の日本の社会通念では、結婚後は男性側の姓を名乗るのが普通ですから、アイドル時代の『ミヤ』という芸名の由来が星宮姓であるというのはちょっと奇妙なことです。これは恐らくアニメアイカツにおける最大の謎の一つだと思います。

ありうる可能性としては、

  1. りんごさんはマスカレードを組んだときには既婚だったか、星宮太一と将来を約束した仲になっていた。
  2. 太一のほうがあえて妻の姓を名乗っている。
  3. この世界では妻の姓を名乗るのが普通である。

のどれかになると思うのですが、ここではいろいろと都合が良いので2を採用しています。たぶん、星宮太一は隠密かなんかの末裔で、もともとは潜入先で身元を隠すための慣習として婿養子として女性側の姓を名乗っていたのが、もはやその必要がなくなった現代でも家訓として残ってるとか、そんな感じなんでしょう。で、太一さんの会社は、そういう隠密の末裔だけで構成された怪しい企業だと考えれば、世界中を泥だらけになりながら飛び回っていても何ら不思議ではないし、よって、いちごの旦那も同じ慣習を取っているということで、結果としてみかんも星宮姓を受け継いでいます。

さて、星宮みかんは、ポジション的にも性格的にも、基本的にいちごそのものと言っていいキャラです。彼女は、アイドルについて全く前提知識のない状態からスタートしています。これは単に、先の指針に従って「いちごもアイドルについて何も知識がないところからスタートしたので、それを繰り返すべし」というだけのことなのですが、舞台設定という観点では、「星宮いちごは、彼女なりに何か考えがあって、自分のアイドル時代の情報や、あるいは、アイドル時代の仲間たちから、みかんを遠ざけて育てた」というような説明になるのだと思います。まあ、りんごさんがアイカツ48話で「ママがアイドルだったからという理由ではなくて、いちごの人生はいちごに決めてもらいたかった」と言ってたのと同じことでしょう。

キャラのビジュアルについては全く私も想像してません。ただ一つだけ、「小学生時代のみかんは、母親とは違ってリボンを付けていないが、中学に入ったあとは、崖のお姉さんからもらったリボンを常に付けている」という設定をしていたのをいま思い出しましたが、今まですっかり忘れていたので作品に反映されてません。アイカツシリーズは、今のアイカツスターズもそうですが、主人公のしるしとしてリボンを装備するという伝統があるような気がするので、みかんはリボンを付けることによってやっと「主人公になる」ということにしようかな、と思っていたわけです。まあ忘れてましたけどね。これは、何かの機会に本編を改訂して反映するかもしれません。

瀬名あかね

名前からもすごく分かりやすく、瀬名翼と大空あかりの娘として設定されています。全然セナツバ出てきませんでしたけど。

彼女には、霧矢あおいの後継者のポジションが与えられているので、母親ではなくあおいにあこがれてアイドルを目指すということにしました。ただ、性格的にはみかんほどには先行者をコピーしていないということになっています。まあ、あこがれのあおいに初めて会った時のリアクションは、どうみても霧矢あおいですが。

彼女も、大空あかりの娘という割には、アイドル界の人々とは面識がありません。作中でも若干匂わせてありますが、この世界の大空あかりは、アイドルをだいぶ早い段階でやめて、学術のほうに軸足を移しているので、かつての仲間とは若干疎遠になっている、というわけです。まあ多分、大学院に進学するくらいのタイミングでアイドルやめていて、同時期にセナツバと結婚したんじゃないかと思います。あかねは「崖のお姉さん」とも面識があったわけではなく、単にスキップスの映像を見てたから、彼女の正体に気づいただけでしょう。

彼女は小学4年生のときにみかんと知り合うという設定になっています。全然作中には反映してませんが、脳内設定としては、

  • あかねが生まれてから小学3年までは、瀬名家は大空家に同居していた。
  • 特に、小学校に上がってからは、大空あかりは研究員として3年間海外に単身赴任していたので、その間、面倒はほとんどあかりの両親が見ていた。
  • 小学4年のとき、あかりが帰国したのを機に、瀬名翼も大空あかりもそれぞれの仕事に余裕ができてやっと落ち着ける目途が付いたので、瀬名家は大空家との同居をやめて今のマンションに引っ越し、そこで偶然、みかんと同じ学校の同じクラスになった

という感じです。

彼女も、キャラのビジュアルは全く想像していません。が、あおいのMVでアイドルに目覚めた関係で、多分フューチャリングガールの服ばっかり着ているんじゃないかと思います。ドリーミークラウンには見向きもしてくれないので、父親は若干拗ねていることでしょう。

北大路桃花

この子は、北大路さくらの兄である北大路左近と氷上スミレの娘という設定になっています。一応、蘭のポジションということにしてありますが、性格的には蘭にもスミレにもさくらにも似てない。どちらかといえば葉子様だな。瀬名あかねとルームメイトになりたがっているのは、多分氷上スミレの血のなせる業だと思います。まあ、ルームメイト対決でみかんに負けて実力を認めたあと、二人にデレるんじゃないっすかね。ストーリー上、スターライト学園に上がる前がメインなため、どうにも単なる数合わせ的なキャラになってしまったのが心残りではありますな。

この子は明確に「髪色がピンクになった氷上スミレ」というビジュアルを想像しています。名前はピンク色から来ています。断じて「モモカ(CV大橋彩香)」ではなく「トウカ」です。

ここからは、そのほかのキャラについての解説です。

星宮いちご

エクストラステージでのいちごは、母親の弁当屋を継いで、そこでみかんを育てています。りんごと太一は既に引退しており、近くに住んでいちごのサポートをしているのだと思います。「引退後も毎週ソレイユの三人でレッスンしていた」という話が出てきますが、たぶんそういうときにはりんごさんがやってきてみかんの面倒をみたりしてたのでしょう。

彼女は最後に、あおいと蘭にソレイユ再結成を持ちかけています。本人としては、例の「おばあちゃんになってもソレイユを続ける」という目標を達成するつもりで、最初から引退ではなくて活動休止くらいのつもりでいたのかもしれませんね。ストーリー構成という観点では、アイカツ第一期における神崎美月に相当するスーパーキャラクタが居ないので、その穴を埋めてもらうために、母親自ら出てもらおう、というわけです。まあ、アイカツではいちごが憧れたのもいちごの前に立ちはだかったのも美月さんだったので、今回はみかんやあかねが憧れたいちごやあおいが立ちはだかるということでいいのかもしれませぬ。どうせその話を書く予定はありませんし。

大空あかり

今の大空あかりは、本業が大学の准教授あたりで、その余技としてお天気お姉さんをやってるとか、そんな感じだと思います。完全に父親の気質を受け継いで、お天気について語らせると止まらなくなってしまうといった描写が、作中にも出てきています。たぶん、学者として恐ろしく優秀な人になってます。

お天気お姉さんとして旧姓を名乗らせているのは、もちろんストーリー的にそのほうが都合がいいというのもありますが、設定上も、視聴者に対してアイドル時代の名前のほうが通りが良いから、きっとそうしてるだろう、ということで説明できます。

そういえば、前回、「気象系なら気象大という選択肢もあったんじゃないか」という論点について書き忘れてたのを思い出したんですが、あそこは省庁大学校なので、入った瞬間国家公務員になってしまい、この時点でアイドルを辞めないといけなくなるので却下しました。柏はちょっと都心から遠いしな。

天羽まどか

崖のお姉さんです。既に天羽あすかは引退し、まどかはその後を継いでエンジェリーシュガーのデザイナーをやっているという設定になっています。たぶん、みかんがプレミアムドレスを作ってもらいに行って、再会することになるでしょう。

それにしても、彼女が崖下で待っていたのは偶然としては出来すぎの感じがあるので、多分大空あかりが手を回したんじゃないかという気がします。

霧矢あおいと紫吹蘭

誰しも一度は妄想する、霧矢学園長のスターライト学園ですね。織姫さんはたぶん、スターライト学園の国際展開をするために、ジョニー先生を引き連れて国外を飛び回ってるんじゃないでしょうか。その後を任されたのが霧矢先輩。その時に、らいちを参謀として引っ張ってきたのでしょう。

作中でも書いてある通り、彼女は芸能人の仕事を続けていて、今でもイケナイ警視総監をやっていると思います。みんなのアイドルなので独身のままです。

蘭ちゃんも、エピローグでフラグ立てちゃったせいで独身です。結局この二人は、あれ以来特に別れて暮らす理由もなかったので、ずっとルームシェアして暮らしているという設定。もはや夫婦。

RAICHIと音城カオル

いちごの弟で、旧名が星宮らいち、現在の本名は音城らいちです。たぶん、サッカー選手としてはプロにまではいかず、大学卒業後そのまま芸能記者になり、その流れで芸能リポーター業をRAICHI名義で始めたあと、あおいに請われて学園長代理をやっています。その立場上、芸能記者兼リポーターのほうはその時点で辞めて、余技でやっていたサッカー解説だけは続けている、という感じの設定です。

たぶん、あおい姐さんのおせっかいでノエルちゃんとくっつけられたんじゃないかと想像しています。くっつけたからにはその子供も登場させないとねー、ということで、おまけパートで第4のアイドルとして音城カオルを登場させました。カオルは男の娘アイドルとしてオンリーワンを歩むことになるのでしょうが、アイカツの中では異質なので、メインには持ってきませんでした。

なお、ノエルちゃんはアイドルを引退して実家のケーキ屋を継いでると思います。セイラは今どこで何をやってるのか不明。

 氷上スミレと北大路さくら

このシリーズの最強キャラとして君臨するのは氷上スミレさんです。大空あかり編で、氷上スミレは声優初挑戦をすることになりましたが、その役作りのために、本当のお嬢様であり、口調も役に近い北大路さくら先輩にレクチャーをお願いしたところ、たまたま居合わせた北大路左近に一目惚れされた、という感じで考えています。最初スミレは左近の猛アタックに対して全く意に介していませんでしたが、大空あかりが結婚してしまったことでいろいろ吹っ切れて結婚に同意したんじゃないかと思います。

言うまでもなく、彼女は梨園の女として生きるため芸能界を引退しています。左近さんは、たぶんもう左近じゃなくて、北大路家の嫡男としてもっと立派な名前を襲名しているでしょう。でも、惚れた弱みがあるのでスミレには頭が上がりませんし、最初から妹にも頭が上がりません。その妹のさくらさんは、同じアイドル学校の先輩後輩ということもあって、スミレと非常に仲がよく、彼女がまだ歌舞伎の世界に慣れていなかったころから、いろいろと相談に乗ってあげたりしてたんじゃないかと思います。

なお、スミレさんが結局スターライトクイーンになれたのかどうかは、ここでは考えないことにしました。

 ストーリーについて

この話は、みかんたちが中学に上がる前の話がメインで、みかんがスターライト学園へと挑む過程で、普通の小学生から主人公へと成長するというストーリーになっています。

基本的には、アイカツのエピソードを拾ってきてはそれを加工して話を作るようにしています。全体としてみるとおおむねアイカツ一期冒頭のおさらいみたいな感じですね。みかんがライブを見たのをきっかけにしてアイドルに目覚め、あかねに促されてスターライト学園を受けるあたりは一期第一話の展開をなぞっています。

みかんはスターライト学園の合格を保留されてしまいますが、これは二期の大空あかりをなぞっていますね。この時の霧矢学園長の判断は、アイカツ二期でソレイユの三人がオーディションキャラバンの審査員をした時の視点を持ってきています。つまり、テストの点数の高低よりも、あくまでも各受験生にとって合格することが今後の人生においてベストなのかということを念頭に置いて判断する、ということです。まー、話の構成上、そうしたほうがおもしろいから、そうなるように筋立てしたというのが本当のところです。

崖登りも外せないので追試験の特訓として体験させています。崖のお姉さんからは、カードの大切さやファンとの関係を学びますし、クラスメイトたちの手作りのステージに立つことで裏方に支えられていることを教えられます。そして最終的には、母親と同じように、ステージに立つ楽しさを自ら実技試験の場で発見し、晴れてスターライト学園に入学できることになりました。

そして、入学後、すぐに北大路桃花との出会いがあって、ここで主人公を中心としたトライアングルが出来上がり、この話は終了します。

おまけに関しては、「いちご、結婚します!」における幕間劇みたいなもんで、本編の副産物として出てきた設定なんかを消化するための話となっていますね。

最後に

この「いちご、結婚するってよ」シリーズはこれで終了です。やっぱりアイカツの登場人物たちはキャラが立っているので、放っておいても勝手に動いてくれるし、話を考えるのは楽でしたね。これもアニメの三年半の蓄積があってのことでしょう。

筆者はアイカツスターズも楽しんで観ていますが、それはそれとして、やっぱりアイカツの帯びているある種のカルト性は、他のアニメでは代えられない部分があると思います。アイカツスターズもそういうようなアニメになってくれたらいいなと思うし、その一方で、またいつかアイカツワールドの中で展開する続編なりスピンオフなりを作ってくれることを願っております。