AoiMoeのおはなし

アイカツロス症候群のリハビリ活動二次創作

いちご、結婚するってよ ~ 解説②

大空あかり編

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最初、この一連の落穂拾いシリーズも、エピローグも、エクストラステージも書くつもりはなくて、本編である「いちご、結婚するってよ」に解説を付けるだけで終わろうかと思ったのだけれども、本編で拾えなかった脳内設定で話を作ってみることができるかどうかを脳内シミュレーションしてみたら、意外と書けそうなので、落穂拾いという形で書いたのがこれ。あと、アイカツロスがこじれてて書かずにはいられなかった。

しかし、読み返してみると、意外にこの話では本編での脳内設定を拾っていなくて、拾ってるのは「あおいは大学に進学している」と「アイカツマンション」という設定くらいしかない。むしろ、落穂拾いという体で、大空あかりのニヤニヤ話を書き下ろした、というのが本当のところ。

まずは、「アイカツマンションでみんなこぞってルームシェアしてる」という設定があるからには、きっと大空あかりもスミレとルームシェアしてるんじゃないかな、というあたりから設定を組み立てて行った感じ。

あかりとスミレが一緒に住んでるのはどう考えても既定路線として、問題はひなきを加えるかどうかというところが悩みどころなわけですが、いちごとあかりだけの会話をメインにしたかったので、ここでは「ひなきなら珠璃の横で寝てるよ」ということにしました。

同じく、いちごとあかりの会話をメインにするという観点から、スミレも、設定としては一緒に住んでいるものの、留守ってことにしようと思ったのです。ちょうどこのころ、筆者は「三者三葉」の第一話を毎日のように繰り返し見ては「おいたわしやスミレちゃん」と思っていたので、「ならばスミレちゃんには葉子様でもやっていてもらおう」と思いつき、不慣れな声優初挑戦をしてもらうということになったわけです。この設定が、のちのちエクストラステージにつながることになるとは、まだこのときには全く思ってなかったけど。その辺はそっちで。

さて、いちごが単に「結婚します」って言いに行くだけでは物語にならないので、相手に合わせて話を膨らませなければなりません。そこで、会話のネタを作るために「このころ大空あかりは何をやっているのか」を妄想するわけですが、ふと、大空あかりという子は、こうと決めたら一つの道を突っ走っていってしまうタイプなんじゃないかな、と思ったわけです。ここが、気まぐれにいろんな方向に行ってしまう星宮いちごとは決定的に違う点だと筆者は考えています。

で、アイドルとしての大空あかりはもうスターライトクイーンになってしまっていて、あとはアイカツランキングくらいしか極める道がない。一方、彼女には「大空お天気」というもう一つの目標を見いだすことができて、それはお天気キャスターオーディションを受けた時の描写を考えても(アニメ三期116話)、決しておおぞらっこ君頼みの現状に満足するような大空あかりではなく、そこから気象学を極めだすんじゃないか、ということになる。

ここで浮かび上がってくるのが彼女の父親でして、アニメの制作側が意図的にやったのかどうかは分からないのだけれども、地質学と気象学は共に地学の一ジャンルで、要するに大空あかりは知らず知らずのうちに自分の父親の専門の隣接分野に片足を突っ込んでしまっていたわけです。というわけで、ここで、「父親の導きも存在して、大空あかりは大学で気象学を学んでいる」という設定が出来上がりました。

なお、地学というのは専門を生かそうとすると中学高校の理科教師になるか、そのまま研究者になるくらいしか就職先がないので、ただでさえ人気のない理学系の中でも特に不人気だと断言できるのですが、そのため、気象学を学べる大学は多くないというのは大空あかりがこの作品中で述べている通り。じゃあもういっそのこと一番いいところに入れてしまおう、ということで、彼女はアイドル業の傍ら、ブレることなく理科I類からこの年の4月に晴れて本郷の地球惑星物理学科に進んで今に至る、というわけです。この世界の大空あかり、恐ろしい子

大学に進学といえば、この時点で「うちのあおいも大学に行ってたけど」という伏線も入れてあります。要するにあおいはスターライト学園で教員をやるために教員免許取りにいったんだね。どこの学部に行ったのかはあんまり掘り下げて考えてないけど。

そして、理系には男の子が多いでしょ、という話から、恋愛話に飛ぶわけです。筆者はアイカツに野郎はいらねーだろ原理主義者なのですが、このシリーズに限っては、もう最初っから星宮いちごが結婚するというのを前提にスタートしているので、迷わず瀬名あかルートを選択してニヤニヤ展開にしております。もういい歳してるのにウブすぎるだろ、この世界の大空あかり。が、あの憎き男の気配を察知した氷上スミレにブロックされて、ここではこれ以上話が進展しないで終了します。あの星宮いちごですら、紫色の眼光の前では身の危険を感じて思わず「あかり」から「あかりちゃん」という呼び方に戻るあたり、たぶんこの「いちご、結婚するってよ」シリーズにおける最強キャラは氷上スミレさんだと思うのです。

幕間劇①

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掲載順とは入れ替わるけれども、時系列的にはここに入れておいたほうが良いと思う。

そもそも、何で掲載順が入れ替わっているかと言えば、最初、これもお話にせずに解説で書けばいいよな、と思っていたことだったのだけど、学園長室の話を書き上げた後、ちょっと考えてみたら、こういう話をいちあお夫婦にさせたら面白いよな、ということで、気が変わって幕間劇という形で挿入することにしました。その後、幕間劇は「夫婦の会話」として、②③と続くことになるわけです。

つまりこの話は、大空あかり編における「意外と男の子たちはみんな私がアイドルだと気が付いてないみたいで」というセリフを、筆者がどういう意図であかりに言わせたのか、ということを、あおいの口を借りて説明しているわけ。悲しいなあ……。

学園長室編

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大空あかり編が結果として新たなニヤニヤ話の創造になってしまったのとは打って変わって、この話を設けた意図としては、本編における「霧矢あおいが直面している新しい役割」という話の回収で、まあ後はおまけですね。

とはいえ、この辺から、一連のシリーズにどうやって収拾をつけようか、ということを考え始めていて、エピローグとして記念ライブでもやるのかなあ、というような、漠然とした考えが浮かんできていたので、それが「この後の日程について」というようなセリフに繋がっています。

幕間劇②

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「学園グランマ」って言わせたかっただけの話です。forever、アイカツ!

神崎美月編

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もう「いちご、結婚するってよ」本編から回収しておくべきネタが尽きている一方で、もうちょっと話を続けたいなと思っていた状況で書いた話。回収するネタがないのでどうしたもんかと思っていたものの、ちょっと毛色を変えて夏樹みくる視点の話にしてみた。美月絡みなら、ついでにトライスターも出せるしね。

しかし、実際に書いてみると、夏樹みくるとユリカかえでには、アニメ本編での接触面が大きくないので、結構苦労することになったりして。で、夏樹みくるを出すのであれば、何かお花がらみの話がいいだろうなあと考えて、こういう話になりました。

青い花というのは西洋では結婚式の定番なのですが、ここに出てくる「ムーンサファイア」という品種は存在しません。実際に存在するのは「ムーンダスト」という品種です。この話の中でみくるが「青いカーネーションを咲かせるのは難しい」と言ってますが、そりゃあ当たり前で、自然界に青い色素を持ったカーネーションなぞ存在しないから、やるとすれば、白いカーネーションに青い水を吸わせて着色するか、そうでなければ遺伝子組み換えで青い色素の遺伝子を組み込むしかありません。

実在する「ムーンダスト」は遺伝子組み換えで作られたものです。交雑を避けるために、自分で種から育てたりはできず、切り花を買ってくるしかない存在なので、何となくこういうものはみくるさん使わないんじゃないのかな、と思い、あえて架空の品種を作っています。アイカツワールドには謎の植物がいっぱい自生しているので、青いカーネーションくらい自然界に存在していてもいいんじゃないかな、と思っています。花言葉なんかは完全に「ムーンダスト」のをそのまま持ってきていますが。

さて、この話を書いてる途中くらいで、エピローグのオチを思いついてしまったので、それが「一般のサラリーマン」という文言に反映されてます。もうエピローグが思いついてしまった以上、ダラダラと落穂拾いを続ける意味も無くなったので、「星宮いちご、結婚します!」もここで打ち止めとなりました。

幕間劇③

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これは完全に中の人ネタ。「洲崎西」の割と初期の回から拾ってきているネタですね。

エピローグ

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これは、「いちご、結婚するってよ」本編、つまり、「あおいが変になっていってしまう様子を蘭の視点で語る」という話と対をなすものなので、語り手はあおい自身という形にするのが一番座りがいいだろう、ということで、そうしています。

「いちご、結婚するってよ」本編を書く上ではさして重要ではなかったいちごの結婚相手なのですが、一方で、「果たして星宮いちごが結婚するとしたら、一体どういう相手になるんだろう」という問いは、ずっと頭の片隅に残っていたわけです。この話の中では、あおいや蘭ですら見知っていないような男性と急に結婚してしまうという設定が出来上がっていたので、その軸で考えてゆくと、まー、学園関係者ではないだろうし、星宮いちごが知り合う可能性があるとすれば業界関係者くらいだから、そういう出会いで結婚しちゃったのかな、とか思っていたわけ。

でも、それだと設定としては今一つ選択の必然性に欠けて脆弱だし、ここでふと、よく芸能人の結婚報告でありがちな「一般の方と結婚する」というフレーズを思い出したので、その流れだとどういう候補が出てくるのだろう、と考えてみたのです。まず真っ先に思い浮かぶのが、幼馴染とか学校の同級生とかになるのだけれども、これはあおいが知らないという時点で排除される。次に、家族や親戚がらみだとどうか、と考えたとき、おあつらえ向きの対象が思いついたわけです。つまり、父親の部下。

星宮いちご父親である星宮太一は、アイカツの登場人物の中でも屈指の超人で、そんな父親を見てきた星宮いちごのメガネにかなう相手となると、なかなか難しい。ここで、星宮太一チームの若手ホープとして世界中を背広で探検しまくっていて、将来は太一の後継者と目されてるような、そんな人物を作り出してみると、何かのきっかけでいちごと会うこともあるだろうし、自然と「結婚後もめったに帰ってこない」という設定も引き出されてくることになる。いちごにも、それを自然に受け入れる土壌がある。これはなかなか都合がいい。

というわけで、ちょっとだけあおいのいちご離れをモラトリアムできるような話ができあがったのです。まあ、こういうのは時間が解決してくれたりするんじゃないかと思うわけで、星宮いちごに子供ができるころになれば、あおいも学園の仕事に慣れるだろうし、何より20代後半という年齢が、今度は星宮いちごの引退とかそういう現実を自然に受け入れられるようにしてくれるんじゃないかなあと思う。でも、それまでは、いちごに甘えてもいいんだよ、というような、そんな気持ちで書き上げました。

そうそう、これを書いてる間には、もうエクストラステージの構想ができていたので、その伏線として「三人でウェディングドレスを着て歌うソレイユと、そこでフラグを立ててしまう蘭」というのを入れてあります。

また長くなったので、エクストラステージは別の日に。